森と庭の管理人(仮称)

副理事長.森と庭を管理する。

【朴葉寿司を作る,色々考える】

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裏庭に,ホオノキが植えられている。

大きくなる木だが葉っぱが欲しいので,小さく仕立てながら育てている。

今年も葉っぱを採取し,酢飯に余り物をのせて,簡単朴葉寿司を作成。

いろいろ伝統的なレシピもあると思うが,何を具材にしても大丈夫そうだ。

毎年気楽に作っている。

夜作って朝になると,台所に朴葉のいい香りが満ちている。この幸福感!

山づくりの技術ももちろん大事だけれども,生活文化を知ることは,

同じくらい大事だ。

山では海とは異なり,ご飯を巻くものは基本的に葉っぱ。

香り高く,そこに抗菌という機能が付帯していることを看破した先人に敬意を感じる。

作家水上勉氏はその著書,土を喰う日々で,

杣人だったお父上が,お昼ご飯はおにぎりと,

少量の味噌を,山の朴葉の上で焼いて食べていたことを書いている。

その描写があまりに鮮明であったため,

間伐の際に除伐すべきこのホオノキを大事に持って帰って,

自分の庭に植えた。

毎年小さなホオノキが懸命につけた葉っぱの精をいただきながら,

山から庭への接点,林学と造園学の狭間を思い,朴葉寿司を喰らうのである^^

 

【不定形で多様で,小規模な森林こそ最良】

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 標記は造林の父,ガイヤーがその著書 Der Waldbau(造林学)に書いたらしい名言

(らしいってのは,別に読んでないからw)。

毎日の散歩で,ナルホドと実感すること多々あり。

3枚目の写真は,倒木か伐倒か不明だが,小さな林冠ギャップ。

じっと見ていると,様々な生き物が蠢いているようで,草が不自然に動く。

様々な鳥類がさえずり,見たこともない鱗翅類が乱れ舞う。

この大きさのギャップなら大丈夫そうだ,などと,散歩は様々なヒントが得られる。

今年は交付金申請で,担当者から弊社の山の小ささを鼻先で笑われてしまったが,

林学の徒であるならば,

ガイヤー先生の言葉をちょいと頭の隅にでも止めておいてほしいな,

と腹の中で思って溜飲を下げたw

知識は,世の中を意外に生きやすいようにしてくれるものだ^^

 

 

【ルーツ】

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昨日,今田先生の論文が掲載されている,発刊当時の北大演習林報が到着した。

自分の恩師のそのまた恩師に当たる先生である。

学生時代恩師から,今田先生からいただいたという別刷りを読ませていただいて,

その内容に衝撃を受けたのを,昨日のことのように覚えている。

美と功利の調和。

「美」を,「環境を含めた語彙」に置き換えて読んでみると,

非常に現代的な森林経営管理について書かれていると感じた。

 と同時に,ドイツでは100年も前に,こうした議論がなされていたのか…と,

意味不明の敗北感も感じた。 

それほどに当時自分の受けた林業教育と真逆で,驚いたのだった。

色んな意味で,自分のルーツとも言える。

先人のこうした叡智は,今後埋もれて無くなっていくのか,

はたまたどこかで展開していくのか,自分たちの手にもゆだねられている。

もうちょっと色々頑張ろうかな^^

 

【荒山さんのミズナラ】

先の学会でも発表をさせていただいた,

荒山雅行さんが大事に育て,板に挽いていたミズナラ板が,

新しく開店されるBarの棚板に使っていただけることになりました。

荒山さんが亡くなる半年ほど以前に,このミズナラを伐採し,

板に引いて,5年間ほど自然乾燥をしたものです。

Barの設計をされる,源池設計室さんが直接板を見にいらして,

たくさんある中から選び出し,

それが,鵜飼建設さんの加工で美しく蘇りました。

亡くなって5年近く経ちましたが,やっと,

荒山さんの意志に従った使い方がなされ,感無量です。



新しいBarの名称は,

松本市内にある Bar Porter様とおっしゃるそうです^^

源池設計室さんの素敵なデザイン空間の中で,

この板をお譲りくださった,奥様の荒山里利さんや

多くの関わりのあった方々と,こだわりのBarで,

静かに荒山さんの思い出話をしながら杯を傾けることを,

楽しみにしています。


 

Bar Porter様が開店しましたら,ご報告しますね。

皆様も,一度ご覧になっていただけると嬉しいです^^

http://genchisketch.blog48.fc2.com/blog-entry-2034.html

 

genchisketch.blog48.fc2.com

 

 

 

【ありがとうございました】

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昨日無事,造園学会のミニフォーラムが終了しました。

たくさんの方々にご来場いただきましたこと,心からお礼を申し上げます。

フォーラムの趣旨をまとめてくださった伊藤理事長,

非常に実践的な内容で登壇をしてくださった,泉さん,澤畠先生,

個人的にもとても共感できる感想を寄せてくださった

コメンテーターの上田先生,

そして,難しいテーマを短い時間で的確にまとめてくださった

司会の小野先生,

最後に何よりも,会場にお越しくださいました皆様に,

心からお礼を申し上げます。

名古屋造形大岡田先生の

「われわれは,空間を作る際にどの程度植生の遷移を受け入れていけばいいのか」

とのコメントは,とても印象深いものでした。

造園という営為に際して,つねに向き合わなければならないこの事実を,

今後どのように乗り越えていけばいいのか,対象ごと,状況ごとに

丁寧に考え続けてみようと思います。

写真は,フォーラム終了後の登壇者と理事長。

終わった後のリラックスした写真です。

皆様のおかげで,良い1日を過ごす事ができました。

ありがとうございました。

 

【2010年の荒山さん】

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荒山林業の発表資料を作っていたら,
もう何年も,探しても出てこなかった,
初めて荒山さんと会った日の写真が,
突然出てきた。
荒山さんの後ろ姿,いつの間に写してたんだろう。

【(簡単な^^)造園学会ミニフォーラムの発表資料】

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明日のミニフォーラムの発表資料,

超簡単ですが,登壇者同士でまとめてみたのをアップします。

大層な題名で,ビビってますがw

でも,楽しくできればいいなあと思いますます。

今年も,ミニフォーラムの担当の先生には色々お世話になりました。

今,大学の現場はとても忙しいと思うのに,

問い合わせにも迅速に答えていただいたり,

頭が下がります。ありがとうございます。

会社のFacebookページに,ダウンロードできるようにしました。

今回来られなかった皆様も,またの機会にお目にかかれれば嬉しいです♪

 

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