森と庭の管理人(仮称)

副理事長.森と庭を管理する。

森林美学

【日本語「森林美学」の立ち読み情報など】

本日発売となりました,日本語版「森林美学」。 私は英語序文や,林業的施業の部分,信大の学生さんたちの翻訳の直しを含め 70ページ程度を翻訳に関わったのみならず, 全体の文章のチェック,地名・人名の直しなど,裏方業もさせていただきました。 9年間,…

【なぜ森林美学だったのか】

よく森林美学について調べています,というと,多くの人は 林学を先行しておいて,なぜスギ・ヒノキの山に関して研究しないのか, と言うご質問を受けます。たまにはお叱りも受けます。 私は幼少の頃,ベルギーというヨーロッパの小国で, 小学校2〜5年生ま…

【とりあえずご報告をば】

つい先日,出版社の社長さんとお話をしていたら, 「この本の話が最初に出てきたのは2009年の…」 「ええーっ,そんなに前…(絶句」 本当に,ずいぶん長くかかって申し訳有りませんでした。 一昨日やっと,出版社さんから出来立てほやほやの、 日本語版「森林…

【ゲーテと植物形態学】

ゲーテといえば,文豪としてその名を知らない人はいません。 しかし彼が,自然科学の超オタク(高い専門性を有する者)であり, その中でも色彩論に次いで, 植物形態学樹立の立役者というのは,存外知られていません。 私もよく知りませんでしたが, 森林美…

【ビルの谷間の雑木林 大手町の森】

4月の出張の際に,以前からいってみたかった大手町の森を見学してきました。 先日学会の作品賞を受賞されたので,とても興味を持っていました。 この森は,わざわざ千葉県君津市から土壌ごと,森林を移植してきたとのこと。 で,現場を見てみると,本当に,…

【美しさは,それを作るものの意思が必要(長文です)】

4月20日,21日は橋口学先生のレッスンでした。 このレッスンは毎回,植物の美しさを考えさせられる時間で, これまでの人生で最高に楽しい一時です♪ 今回は,丹頂アリウムを用い,「植物の動き・調和と対比」と言うテーマで 造形デザインを行いました。 写真…

【もうすぐ…らしいです^^】

森林美学の翻訳本が,やっと9割がた完成しました。 北海道大学に関連する研究者の方々を中心に, 同大学出身の弊社理事長の関係で,弊社に関係する研究者も含めた 大勢で翻訳を行った本です。 先日,友人の八田智幸さんにお願いした表紙デザインも, 実物大…

【検査の準備だというのにw】

今日,明日は雨や雪という予報が出ていたため, 検査のチェックのために現場へ。 途中,山菜が目について,仕事中だというのに上司の目を盗んで ものすごい速さで,採取してしまいました^^ 不真面目この上ありませんw 蕗は花が開いていた上に少なかったの…

【大木を育てる事の難しさと素晴らしさ】

検査の準備で大わらわですが,ブログ書いちゃいますw 私の師匠である,故・荒山雅行さんは訪ねて行くと必ず, 山の樹木1本1本がどのように育ってきたかを,丁寧に解説してくれました。 大学での授業は,林地を面的に・樹木をマスとして取り扱ってきたので, …

【ザーリッシュの森】

ポーランドへ行きましたって情報だけで,いったいどこに何をしに行っていたの? と,ふと,友人から聞かれまして, 今更ながら,肝心のザーリッシュの森林など,見学に行った部分を 全く紹介していない! という粗忽さに気づいたのでした。すみません〜 しか…

【燻製大会!】

一昨日,3月4日(日)は,職場主催の燻製大会@社有林 を行いました。 参加者さんの大半は,実際に燻製を行うところをご覧になったことがないとのこと, 予想以上に大反響で,とても嬉しかったです^^ 燻煙は,市販のウッドチップの類は使わず, 社有林の…

【どうもありがとうございます】

ここのところ,何人もの方からメールやメッセージ, ブログへのコメントをいただいています。 どうもありがとうございます。 私事により,昨年末からバタバタしていましたこと, このはてなブログの使い方がイマイチ判然とせず,戸惑っていたことにより, 不…

【植物造形デザインを学ぶ】

昨年からぼちぼち,ドイツ国認定フロリストマイスターの橋口学先生のもとで, 植物造形デザインの理論を学びに行っています。 ドイツのフロリストデザインは,1900年初頭に バウハウス出身のフランツ・コルブラントによって体系立てられたそうです。 ザーリ…

【ヤドリギ】

またこの季節が到来しました。 ヤドリギとのおつきあいも,5年くらいになったでしょうか? この間,ずいぶん色んな方々から,ご商売としてのお問い合わせいただきました。 しかし弊社は,来年度はもしかしたらプロジェクトは行わず, この不思議な植物の偏…

【ポーランド行ってましたw】

9月の初旬に,ポーランド行ってました。 ご報告が著しく遅れてすみません(汗 あまりに忙しく,目まぐるしく時間が経過してしまい, ブログを開くこともままならなかったのです。 深謝します。 で,そのポーランドの様子,写真が多すぎるので, FB個人のペー…

【昨日は森林作業】

昨日は森林内作業であった。 久々に汗をかき,自分の生きる場所としての森林に,改めて愛着を感じた。 周辺環境,植栽基盤である地形や土を見る,水の条件を調べる, 植物の特性を捉え,環境にあった方法で植物を生育する。 これらはひとつひとつ,専門分野…

【人ありき】

1週間ほどブログを書いていない事を思い出しました。 忙しいわけではなく,「忙しかった」あとのつかの間の骨休めをしてました。 なぜだか,この骨休めの時は,何も考えられない, 何もしたくない病気が発症するので,要注意です(笑 この間,6月4日は,…

【不定形で多様で,小規模な森林こそ最良】

標記は造林の父,ガイヤーがその著書 Der Waldbau(造林学)に書いたらしい名言 (らしいってのは,別に読んでないからw)。 毎日の散歩で,ナルホドと実感すること多々あり。 3枚目の写真は,倒木か伐倒か不明だが,小さな林冠ギャップ。 じっと見ていると…

【ルーツ】

昨日,今田先生の論文が掲載されている,発刊当時の北大演習林報が到着した。 自分の恩師のそのまた恩師に当たる先生である。 学生時代恩師から,今田先生からいただいたという別刷りを読ませていただいて, その内容に衝撃を受けたのを,昨日のことのように…

【ありがとうございました】

昨日無事,造園学会のミニフォーラムが終了しました。 たくさんの方々にご来場いただきましたこと,心からお礼を申し上げます。 フォーラムの趣旨をまとめてくださった伊藤理事長, 非常に実践的な内容で登壇をしてくださった,泉さん,澤畠先生, 個人的に…

【2010年の荒山さん】

荒山林業の発表資料を作っていたら,もう何年も,探しても出てこなかった,初めて荒山さんと会った日の写真が,突然出てきた。荒山さんの後ろ姿,いつの間に写してたんだろう。

【枝打ちについて】

枝打ちについては大学で,樹冠長の1/3を残して切ると学んだ。 その頃は,「できるだけ長く無節の材を取りたいから」と言う理由を, 何も考えることなく受け入れていた。 ところが「森林美学」では,全く違う枝打ちを提唱していた。 本文を要約してみると,こ…

【森林を伐り開く】

弊社演習林。 大変に荒れ果てた,大きめな道路沿いの斜面林で, ゴミ捨て場になっていたクヌギ林で, 地方中都市の典型的な,価値の低い森林である。 4年前,この森林の小さな区画を自分で購入し,調査を行ったところ, 実はここは大変な生物資源の宝庫であ…

【プチ山暮らし】

カラハナソウの新芽のおひたし。 信じられないほど,「普通に美味しい」。 山には実は,「普通に使える」産物がたくさんある。 我が山にはこの季節,たくさんのミツバが取れる。 それから,ノビル。これはアサツキのようにも使えるので, 実はさりげなく重宝…

【そういう時代が来たのかもね】

犬の散歩道の道路のそばで,ササバギンランを発見した。 都会では,希少種だともて囃されているこの種は, ため池の横の,いつもゴミが捨てられている 斜面林の法尻でひっそり生きていた。 斜面林は,人工のスギ林や広葉樹二次林が放置されてひしめき合って…

【在りし日の荒山林業山林_奥の院】

2015年の荒山林業山林_奥の院。 元は,有用広葉樹を残しつつ,薪炭利用をしていたミズナラとその他広葉樹の林地。 薪炭利用が廃れたのを機に,徐々に残存させる林木を増やして, 現在のような森林構造になっていったと思われる。 一般の方々はともかく, 多…

単木ごとの環境は異なる

一昨年は,荒山林業山林の天然林施業の調査を, 去年は,きのこ山施業地を調査する仕事をさせていただいた。 先日は,樹木医さんたちの講習会に参加させて頂き, 菌根菌についての講習を受けてきた。 大学では,ヘクタール単位の広がりで森林の管理を学んで…

もうちょっと

こちらの校正作業が終わって, これから訳者の皆様へチェックをお願いするとのことらしい。 いくつか,素晴らしい訳者の方の文章に出会えて ザーリッシュの理解が深まったこと, こっそりたくさん感謝です。 まだ,もうちょっと作業がありそうです。 ◆ そう…

【造園家の目を持った林業家たれ】

一応,大きな校正作業は終わったものの, このギリギリになっていろいろ見つかったので,その修正をしていた。 読み直すと,ぎこちない日本語文となっている部分もあるため, 少し,解説できればいいなあと思っている。そのためにも,また勉強(汗 蛇足だが…

森林美学翻訳終了

森林美学英訳版の日本語への翻訳がやっと終了した。 先日第7校を送付し,今は表紙デザインの打ち合わせ中である。 異例の編集期間がかかったこと,まずは関係者の皆様に感謝を申し上げる。 ◆ 本書のテーゼ,「美と功利の調和」とは,では,そんなに無理な話…