森と庭の管理人(仮称)

副理事長.森と庭を管理する。

【昨日は森林作業】

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昨日は森林内作業であった。

久々に汗をかき,自分の生きる場所としての森林に,改めて愛着を感じた。

 周辺環境,植栽基盤である地形や土を見る,水の条件を調べる,

植物の特性を捉え,環境にあった方法で植物を生育する。

これらはひとつひとつ,専門分野に分かれていて,分化している。

 日本人はとても真面目で,一つの分野をかなり深掘りして研鑽する。

しかし,森林を造成するという行為は,それらを統合して行う営為である。

 

 

ヨーロッパのいわゆる「フォレスター制度」というのはおそらく,

これらの分化した各専門分野をすべからく,常識以上のレベルで習得し,

個人の知性で統合させ,販売の先を見通し,現実の施業に反映させる,ここまでを

一人の人間が行えるように訓練されているのではないかと思う。

翻って,わが日本ではそのような体系は存在していない。

あるのは,個人個人の高い技術と知性であるならば,

あるものを活かして良い山を作る算段を練るのが早道ではないか,

そんな考えで山づくりを行っている。

 

 

最近弊社では,

各専門分野の人間が一堂に現場に会し,

目の前の森林づくりの大まかな指針を出すようにしている。

自分の役割は,その雑駁な指針を具体的な森林づくりに反映することで,

個人の能力や技術を統合し,森林を作る案を練る。

まだ始まったばかりだけれども,やってみないとわからないことが多く,

教科書には掲載されていないシーンに多く遭遇する。

それは,とても楽しいことでもある。