【植物造形デザインを学ぶ】
昨年からぼちぼち,ドイツ国認定フロリストマイスターの橋口学先生のもとで,
植物造形デザインの理論を学びに行っています。
ドイツのフロリストデザインは,1900年初頭に
バウハウス出身のフランツ・コルブラントによって体系立てられたそうです。
ザーリッシュの著書と同時代でもあります。
このドイツ流デザインの理論は,以下のような内容なのですが,
森林美学の前半の部分,美の基礎についての記述と
内容がかなり被っていることに,少し驚きました。
1 自然観察・造形の文法
2 植物のキャラクターと主張
・テーマを持った造形の進め方
3 植物の動き・コントラストとハーモニー
4 植物の表面構造・グルーピングと並び方
5 プロポーション・視覚的なバランス
6 色彩学
特に色彩などは,ゲーテの色彩論による色環を採用していますし,
コルブラントは
花だけではなく,植物全体から受けるその種のイメージを見出していますが,
ザーリッシュはこれを樹木で行い,記載しています。
この両者の間に,何らか関係はあったのでしょうか?
いずれにせよ,ザーリッシュの書を森林管理の技術書と断定するのは
少し早計だったような気がします。
全体を読み,フロリストのデザイン理論を学んだ今は,
森林空間デザインのための指南書的な側面が強いと感じています。
引用:
1)サトウタツヤ イロイロ知りたい!心理学史 光と色をめぐる ニュートンとゲーテの立場
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/51-42.pdf
2)Franz Kolbrand(1992), Europa windet den Kranz
3)ハシグチアレンジメンツ フロリスト植物造形理論レッスン
http://www.h-arrangements.com/lesson/lessonriron.html