【朴葉寿司を作る,色々考える】
裏庭に,ホオノキが植えられている。
大きくなる木だが葉っぱが欲しいので,小さく仕立てながら育てている。
今年も葉っぱを採取し,酢飯に余り物をのせて,簡単朴葉寿司を作成。
いろいろ伝統的なレシピもあると思うが,何を具材にしても大丈夫そうだ。
毎年気楽に作っている。
夜作って朝になると,台所に朴葉のいい香りが満ちている。この幸福感!
山づくりの技術ももちろん大事だけれども,生活文化を知ることは,
同じくらい大事だ。
山では海とは異なり,ご飯を巻くものは基本的に葉っぱ。
香り高く,そこに抗菌という機能が付帯していることを看破した先人に敬意を感じる。
杣人だったお父上が,お昼ご飯はおにぎりと,
少量の味噌を,山の朴葉の上で焼いて食べていたことを書いている。
その描写があまりに鮮明であったため,
間伐の際に除伐すべきこのホオノキを大事に持って帰って,
自分の庭に植えた。
毎年小さなホオノキが懸命につけた葉っぱの精をいただきながら,
山から庭への接点,林学と造園学の狭間を思い,朴葉寿司を喰らうのである^^