森と庭の管理人(仮称)

副理事長.森と庭を管理する。

【枝打ちについて】

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枝打ちについては大学で,樹冠長の1/3を残して切ると学んだ。

その頃は,「できるだけ長く無節の材を取りたいから」と言う理由を,

何も考えることなく受け入れていた。

ところが「森林美学」では,全く違う枝打ちを提唱していた。

本文を要約してみると,こうだ。

「本書の前半部分では,多くの樹種に関して,

その樹形の特性と樹形が生み出す美性について,ページを割いて説明をしている。

枝打ちは,そうした樹形特性をよく把握し,

それを損なわない配慮を行うことが肝要であるとした。

現代的に説明を加えるとすれば,樹木にとって自然樹形とは,

その樹種が持つ葉の光合成特性に従い,受光がもっとも効率良く行われる形である。

樹形を損なわないことは,美しさと同時に,

その樹種のより確実な生育を担保する事とザーリッシュも捉え,言及した。

まず,若齢のうちに勢力の強い枝を除去すること,

その際に,樹幹少し離れたところから俯瞰しながら,注意深く観察し,

樹形を損なわないように,残す枝をまず決定する事である。

この時,立ち枝や徒長枝などはまず,最初に伐る。

これらの枝を放置しておくと,将来枝が太くなりすぎて,

枝打ち跡が,大きな傷になってしまうからである。

さらに針葉樹でよく見られる,

低い位置にあるすべての枝を機械的に伐採する枝打ちは,

樹冠の上部に優勢な枝を残存してしまい,

樹幹との養分競合を避けられないと説明し,

行うべきではない行為としている。

また,樹幹に席巻する側枝が多く,叢生形を呈する場合は,

そうした強い枝の枝先を切り詰めて,枝の成長を抑制することで,

樹幹への養分競合を避けられると述べた。」

なるほどー。広葉樹には,かなり使えそうな方法なので,

とりあえず職場山林でトライしてみよう。乞うご期待^^