森と庭の管理人(仮称)

副理事長.森と庭を管理する。

【そういう時代が来たのかもね】

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犬の散歩道の道路のそばで,ササバギンランを発見した。

都会では,希少種だともて囃されているこの種は,

ため池の横の,いつもゴミが捨てられている

斜面林の法尻でひっそり生きていた。

斜面林は,人工のスギ林や広葉樹二次林が放置されてひしめき合っていて,

近隣でも,怖くて汚いイメージがある場所だ。

しかしふと,その斜面林を見上げてみると,

なんだか程よく間伐され,小さな歩道がついていた。いつの間に…

一転して嬉しい気持ちになり,

改めてよく観察してみると,花なども植えられていて,

斜面上下に敷設されている道路を斜めに結ぶ,

ショートカット用小径として機能しているようだ。

ササバギンランの立地を考えると,

小さく伐採したことで,おそらく可食のキノコが発生するかもしれない。

使い道がなく,価値がないと言われていたこの森林を,

誰かが愛でて,誰かが使い,誰かに愛される。

そういえば,最近ゴミが減ったかも。

小さな手製の道は,小さく地域をつなぐに違いない。

そういう時代が来たのかもしれない。

 

参考:希少種ササバギンランの生育環境特性: 横須賀市久里浜におけるマテバシイ植林の事例(小嶋2014)

http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/nhr/35/nhr35_001-006_kojima_s.pdf