Wood-wide web 菌根菌ネットワーク
毎年開催している,造園学会ミニフォーラム「森林美学の現代的意義」で,
ご登壇をお願いした澤畠さん(近畿大学)の発表のなかでもふれられていた,
菌根菌ネットワークに関して,わかりやすい動画がTEDに投稿されていました。
この動画を見ていてふと,Mollerの恒続林思想を思い出しました。
1925年刊行のA・Moller著 恒続林思想のなかの「森林有機体」と言う言葉は,
このシマード先生ご指摘のWood-wide webを含めて指していたのではないかと思ったからです。
非常に近いニュアンスを感じるのです。
さらに,シマード先生が「林業の方法の転換」と呼んだ方法も,
Mollerの提唱している恒続林を作ることだと言えるのかもしれません。
何しろメーラーは土壌動物や菌類の専門家だった上に,
Mollerは林学の名門エーバースワルデ(Forstakademie Eberswalde)の校長でしたから。
よく観念的で具体的な方法論が不明と言われるメーラーの施業方法は,
森林美学に記載されているザーリッシュの森林の取り扱いを
正解と位置付けていまして,なるほどこちらは具体的な取り扱い方法について,
詳細に言及されています。
このシマード先生の言われるような育林と収穫の方法がすでに,行われていて,
1885年の著書に書かれていたというのは,全く驚異的です。